車椅子生活!ある工夫で10倍ラクになるコミュニケーション術!就労トイレ編

普段ひとりで頑張っている車椅子ユーザーが抱える「トイレ問題」

特に、一般企業に就労して自立を目指す車椅子ユーザーの多くは、日中ヘルパーを頼めない分、悩みや不安をひとりで抱え込まなくてはなりません。

「健常者のスピードにつねに合わせないと!」と焦るあまり、トイレに行くタイミングを逃したり、お腹の調子が悪いのに言えなかったり、と、「自分は今困っています」という状況を周囲になかなか伝えにくいですよね!!

「ひとり」で判断することを強いられる車椅子ユーザーのなかには、自分がピンチに陥らないようつねに早め早めの行動を心掛けているものの、周囲の空気を読みすぎて「トイレに行きたい」と言い出せずにいた結果、失敗して「不快」な思いをしてしまった方も多いでしょう。

  • トイレに行く度にじつは困っていると伝えにくい
  • 価値観が異なる対健常者に不安や悩みを打ち明けるのが怖い
  • そもそも言い方がよく分からない
  • 仕事中はヘルパーが頼めない
  • 就業後にヘルパーを依頼しているけれど、就業中は職場に待機してもらう訳にもいかない
  • いざという時自分で対処しなければならない
  • 本当は職場の人たちに手伝ってもらいたい
  • 自分だけ本音を言ってしまったら「ワガママ」と捉えられないか不安

このような悩みを抱える車いすユーザーにアドバイスするなら、例えば、職場に対し「あなたが抱えるトイレの大変さ」を少しでも伝えられたなら、精神的な負担を100%減らせます!!

同僚や先輩に「トイレの◯◯に困っています」と伝えるのは、コミュニケーション能力以上にちょっとしたコツや勇気が必要ですし、緊張もするでしょう。
しかし、福祉や車椅子とまったく無縁だった人々に「直接伝える」ことは、当事者の生活を変える大きな第一歩になると思うのです。
そのためには、車いすユーザー全てが問題を抱える「トイレ」というキーワードを使用した方が、同じ悩みや不安を持つ健常者にとって理解しやすいのではないかと!

ここでは、一般企業につとめる車椅子ユーザーを対象に、「職場でのトイレ事情を解消するコミュニケーション術」にフォーカスし、「仕事中~プライベート、あなたの”生活”そのものをより快適化するための工夫」について考えていきます!

障害者雇用に悩みを抱える起業担当者も、車いすユーザーの本音を聞けるので必見です!

 

車椅子ユーザーの外出時の悩みといえば、

  • 天候
  • 付き添いの有無
  • 行き先のバリアフリー度
  • 移動方法
  • トイレ
  • etc

と、障害の種類、程度によって多種多様ですし、おまけにその日のコンディションによって違いが生じるので、簡潔にまとめるのはなかなか難しい。

特に大きいのが「トイレ問題」ですよね。

外出先のトイレについては、例えば多目的用トイレの利用率の多さや使いにくさなど、こちらも挙げればキリがありませんが、正直、とりあえず間に合えば問題ないんです!

当たり前ですが、人間誰でも「トイレの失敗」はしたくありません。
けれど、車椅子ユーザーは、大げさな言い方をすれば「一分一秒失敗の危機にさらされている」状態にあります。

 

車椅子生活で多くの人が体験する「トイレの失敗」

先日、ふと思い立ってTwitterの検索窓に「車椅子 トイレ 失敗」とキーワードを入れてみた所、以下のTweetが結果に表示されました。

  • 介護施設の利用者がトイレに失敗してしまった
  • 同居中の高齢の両親のトイレ介助
  • 車椅子からトイレへの移乗などに工夫が必要で面倒くさい
  • 若い車椅子ユーザーが外出時にトイレで困ったエピソード

Tweetの大半が高齢者にまつわるトイレエピソードでしたが、その中に20~40代と思われる車椅子ユーザーの多目的トイレ関係の悩みや日常的なトイレの工夫等がチラホラ見られる中、特に気になったのが以下の内容です。

「トイレで失敗してしまった」

失敗の原因は見たところ転倒が多いようですが、他にも障害の影響で尿意の感覚が分かりにくい、一番使いやすい多目的トイレが長時間使用中だったなど、掘り起こせば複雑な悩みがどんどん出てくるでしょうね・・・。

(実際、電動車椅子ユーザーの私も「空いているトイレが見つからない問題」にちょうど先日遭遇しまして、危うく人間としての尊厳を失いかけたのですが、なんとかギリギリセーフで済みました。その結果、「他の車椅子ユーザーさんたちはどうしているのか?」と気になり、調べてみた訳ですが。)

 

車椅子生活の本音

トイレでの失敗談をTweetしていた若い車椅子ユーザーの殆どがどうやら「ヘルパーがいない状態」で外出しているようです。

両上肢、両下肢ともに進行性の障害を抱える今年32歳(実年齢に見えないってよく言われるよ^_^ははっ)の私自身、まだトイレはひとりでギリギリOKなのですが、時折出あうピンチにひとりで対処しなければならない場合、途方に暮れてしまいます・・・。

「じゃあヘルパーを使えば問題は解決するのでは?」

と考えてみたところで、「ひとりで自由に外出するのが好きなお年頃&一般企業のOL5年目」な私は、気軽にこの方法を日常に取り入れられません。
しかし、今後できないことが増えるにつれ確実にひとりでの外出は不可能になるでしょう。その未来を想像している最中、以下の疑問が頭をよぎりました。

「自分が抱える”トイレの不便”を身近な人々に伝えられれば、少しは負担を軽減できるのでは?」

そもそも、何故私たち車椅子ユーザーはつねに「トイレ問題」と戦っているのでしょう?
その答えは、もちろん上記した多目的トイレの利用率なども当てはまりますが、
個人的にはユーザー自身の「日常的な大丈夫」という言葉が引き金になっていると考えています。

「大丈夫」という言葉には、

  1. オールOK、全然心配ありまっせーん!!
  2. うーん、今はとりあえず不安はないけど、この後がちょっと心配かも

このように、2種類の意味があると思うのですが、車椅子ユーザーは健常者以上に2の割合が多いのです。

つまり、「表面的には”全然大丈夫~”だけれど、実際は”全然大丈夫じゃない!どうしよう!!”」といのが、車椅子ユーザーの心の声であると認識してもらえれば良いかと。ユーザー自身が身近な人々に「とりあえず大丈夫」と言ってしまうことで、悩みや不安が伝えられず、本来なら受けられるサポートのチャンスを自ら見落としている可能性が高いような気がします。

では、「じつは自分、全然大丈夫ではない」と周囲に打ち明け、本当の意味で生活を「大丈夫!」と言える状態に立て直すには、どのような工夫が必要なのでしょう?

 

生活を「大丈夫」にするコミュニケーション術!

■まずは自分のタイプを知ろう!

一般社会のなかで自立を目指す車椅子ユーザーの多くが「健常者と同じ目線で自分を見てほしい」「特別扱いされたくない」という考えを持ちながら毎日頑張っています。

しかし、あなた自身に「障害がある」という真実は変えようがありません。

この文章を読んで、あなたはどう思いましたか?

  1. 不快な状態を我慢してもいいから健常者と同じペースを共有したい!
  2. 一般社会のなかで能力を活かしつつ、自分のペースで「自立」を模索したい!

ここで2を選んだ方は、正直、今すぐにでも「コミュニケーションのとり方」を変える舵取りをすべきです。もちろん、現在もいろいろと工夫されているのでしょうが、不便な部分を隠して「大丈夫!」と言い張ったままでは、どんどん自分のペースを見失ってしまい「快適な生活」から遠ざかってしまいます。

■あなたの障害、説明できる?

車椅子ユーザー同士の場合、軽く状況説明されただけで相手の不便度をスピーディーに理解できますが、「対健常者」の場合はどうしても「壁」が生じる、と考える当事者は多いのでは。

ちなみに私は以前、電動車椅子を買いかえる際、職場の先輩に「デスクの高さが合わない可能性があるがどうしようか」と相談したところ、涙ぐまれたことがありました・・・。
(私にとっては当然のことだったけれど、きっと相手は↑の事態をまったく想定していなかったのでしょう、そのせいでキャパオーバーを起こしたのだと思います^^;)

しかし、当事者の病状がそれぞれ異なるように、健常者の「体質」にも違いがあります。

  • 腰痛や頭痛などの持病
  • 不安症で心身のバランスを崩しやすい
  • 切迫性尿失禁

特に、女性に多いとされ、四六時中尿意に対して不安を感じることで生じる「突発性尿失禁」は、トイレの悩みを抱える車椅子ユーザーにも当てはまる可能性が高いと思います。
逆に下半身の麻痺などが原因で尿意を感じにくい当事者もいるでしょうが、極端にいえば「尿意をコントロールできない」という意味では同じなのかも・・・。
また、ストレスの影響でお腹をくだしてしまい、多目的トイレにこもってしまう若い社員をときどき見かけますが、早く出てきて欲しい気持ちがありつつ、「普通トイレの個室では無理だよなぁ」と思うと、あまり強く言えないのです(;_;)

そう考えると、車椅子ユーザー特有の「トイレ事情」、特に職場での悩みや不安は、健常者と共有できる部分が意外と多いのかもしれませんね。

であればなおさら、当事者の障害の特性とトイレ事情について、ハッキリ周囲に伝えたほうがお互いのためになるのでは?

職場で”トイレ事情”を伝える3つの工夫

ここで、肝心の「車椅子ユーザーが職場で”トイレ事情”を伝えるためのコミュニケーションの工夫」について考えてみました!

・ポイント1.助けて欲しいことを先に言う!

まず、健常者に対して病名だけ言っても伝わりません。一番の目的は「不便度を伝える」ことなので、その場合、障害の概要と同時に「サポートして欲しい部分」についても早めに話したほうが良いでしょう。

例:「自分のペースで落ちついてトイレをしなければ転倒して失敗するかも」
→「業務時間、お昼休憩etcを変更したい。」

というのも、車椅子だと基本多目的トイレしか使えないのですが、便座への移乗に工夫がいるので必要以上に時間を要してしまうため、落ちついて行わなくてはなりません。
また、他の方が使用中の場合、待つ必要が生じます。そのためトイレにかなりの時間がかかってしまうので、どこかで30分程確保したい。」

・ポイント2.「なんとなく感じる不安」も話しちゃおう!

長時間座りっぱなしの車椅子ユーザーは「副交感神経・交感神経」の入れかえが上手くできず、その影響で「上手く説明のつかない不安」を抱える当事者は多いと思います。

もし、悩みを上手く言語化出来ず余計焦ってしまうのであれば、
とりあえず「私、けっこう困ってるんです!!」というセリフを伝えるところから先にはじめてみてください!
相手が職場の上司で、忙しそうなら躊躇しそうになりますが、その場合事前に以下を確認しておくといいでしょう。

「業務中のことで直接ご相談したいので30分程お時間いただけませんか?」

慣れないうちは話しの内容が混乱してしまうかもですが、最初から上手く伝えられる人なんて存在しません!ここは練習あるのみです!!

・ポイント3.「味方≠友人」をつくろう!

特に女性の車椅子ユーザーの場合、男性以上に「トイレの悩み」がいろいろと複雑なので、なかなか周囲に説明しづらいもの。
さらに職場に男性ばかりというケースもあるでしょう・・・これはやりづらい!!

できるなら、同じチームや部署内に「同性の味方」をつくっておくのがベストです!

「頑張って会社で友だちつくらないと、周囲と同じペースで仲良くしないと・・・」
と考えると逆に無理してしまうと思うので、例えば上司や先輩など、
「ちょっと距離感があるけれどいざという時甘えられる相手」
に対して、トイレに時間がかかることやその日の体調などを伝えておくと、
より働きやすい環境をつくれるのでは。

 

まとめ

今回は「職場で健常者に対し”トイレ事情”を伝えるコミュニケーションの工夫」について考えてみました!

ポイントは以下の通りです。

  • 障害の特性や悩みの説明:ギリギリまで具体的に
  • 上司や先輩への相談:「業務を効率よく進めるために◯◯のサポートが必要」など、仕事を頑張りたい気持ちがあるがゆえに悩んでいることをアピールする
  • 自分のペースを意識:トイレに時間がかかる旨など、目上の人に相談できるようにすれば、「快適な職場環境をつくる」一歩に

もちろん、急に職場で「トイレ介助をしてください!」と言うのは難しいけれど、普段からコミュニケーションのとり方を工夫し、上司、先輩、同僚に事情を理解してもらっていれば、いざという時「ヘルプ」を出しやすくなると思います。また、「理解者を増やす=健常者の味方をつくる」ことは、ピンチの際も余裕をもって対処する精神力を養うキッカケにもなるでしょう。

一般企業で働く車椅子ユーザーにとっては職場が日常だと思うので、そこから少しずつ変える工夫が、「生活そのものを快適化=自立」への道をどんどん切り拓いてくれます!

 

2019.05.04 Nobuto Haruna

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