
身体障がい者の自立支援とは?ハッピーな人生を送るために。
あなたは、身体障がい者に対する「自立支援」と聞いて、どのようなイメージを持たれますか?
障がい者福祉の業界では、たびたび言われていることですが、利用者さまのサポートをする上で最も重要なのが、「自立支援」の視点です。
- でも、よくよく考えてみると、「自立支援」ってなんだろう…
- 言葉はよく聞くけど、そんな深く考えたことない…
そんな方も多いのではないでしょうか?
LIFEクリエイトでは、身体障がい者が地域で当たり前に暮らし、社会で活躍できるよう、「自立支援」を行っています。
今回は、身体障がい者の「自立支援」について、身体障がい者の「自立支援」のエキスパートである、筆者日高滉人がその意味や考えた方などをお伝えしていきたいと思います。
筆者は、大学1年生の頃から地域で暮らす重度身体障がい者の「自立支援」に携わってきました。その一方、大学では社会福祉を専門的に学び、今では社会福祉士と介護福祉士のダブルホルダーとして身体障がい者の自立支援を行っています。
「自立支援」とは何たるか!
その答えはいたってシンプルです。
今、現場で困っているあなたへ。
このブログを読んでいただければ、明日からすぐに実践できるノウハウを知ることができます。これを知ることで、ぜひあなたの支援スキルをアップさせてください!
きっとその時、あなたの前にいる利用者さまが、素敵な笑顔を見せてくれるはずです!
自立支援ってなに?
自立支援の意味
それではまず、「自立支援」そのものの意味について考えていきましょう。
そもそも「自立」とは何だと思いますか?
辞書で自立を調べると、、、
「他の助けや支配なしに自分一人の力だけで物事を行うこと」
(大辞林 第三版)
と書いてあります。
辞書的に言うと、「自立支援」とは、「他の助けや支配なしに自分一人の力だけで物事を行うこと」に対する支援です。
つまり、一般に身体障がい者にとって
「他の助けや支配なしに自分一人の力だけで物事を行うこと」
は支援を要するほどに、困難もしくは不可能、であることになります。
身体障がい者の想い
自分のやりたいことが、ひとりではできない。
誰かの助けを借りたくても、その助けがそもそも周りに存在しない。。。
実際、
- 地域で暮らしたいが車いすユーザーでも住める家が見つからない
→不動産屋に相談しても、相手も勝手が分からず紹介してもらない… - 買い物に行きたいが一緒に同行してくれるヘルパーさんがいない
→事業所にお願いしたら、人手不足で断られてしまった… - 一人暮らしをするお金がない
→サービスを受けながらでは仕事をすることができない… - 家の周りが坂道だらけで手動車いすでは移動が困難
→申請しても審査が厳しく中々電動車いすが手に入らない…
枚挙には暇がありませんが、
毎日の生活の中で何かを行おうとすると、そこには様々なバリアが立ちはだかります。
もしあなたが、障がいを負ったとして。
「美味しい手料理を食べて、毎日の活力を創りたいけど、ヘルパーさんに面倒そうな顔をされた。」
「雨が降っているけど買い物に行きたい。でも傘をさしてくれる人がいなかいから濡れてしまう。」
「電車で出かけようと思い、駅員さんにサポートをお願いしたら、改札で30分も待たされた。」
などといったことが日々積み重なっていったら、どう感じますか?
外に出ていく気力が無くなっていきませんか?自分のしたいことも、あきらめてしまいませんか?「自立した生活なんてできない!」と思ってしまいませんか?
そんな状況にある誰かが、自分のやりたいことをやっていただけるように、自分の望む生活や人生を実現していただけるように、サポートすることが、「自立支援」です。
自立支援のポイント
では、実際の支援の現場では、何をすれば
「自立支援」と言えるのでしょうか?
その人に寄り添う。
答えはとってもシンプル。
支援する相手に、やりたいことをやってもらうこと。何がやりたいかを聞き、それを実現していただく。
たったそれだけなのです。
1人では難しい、ということがあれば、あなたがサポートしてください。
何がやりたいかが分からない、という人には、その人が「自分は何をやりたいんだろう」ということを考えられるようになってもらいましょう。
あなたの日々のサポートが利用者さまにとって快適なもので、楽しく嬉しく豊かに生活を送れているのであれば、その人の心には余裕が生まれ、「次はこれをやりたい!」という気持ちが湧き上がってくるものです。
もちろん、その中で、介助・介護スキルを要したり、決まったケア時間の縛りなど、現実的な問題は数多くあると思います。ですが、まず何より大切なのは、この視点を持った上で、ケアに入ることです。
えっ、視点を持つだけ?
もっと技術的なアドバイスは無いの?
と思われる方もおられるかもしれませんが、これが実に重要となってくるのです。
もし最初から
「今日は30分間のケアだから○○と□□だけやって終わりだ」
「△△のケアは難しいからやらないで済ませよう」
などと考えていると、実際に利用者さまのケアに入った時、自分の望み通りに相手の動きを誘導してしまうかもしれません。そしてそれは相手にも伝わってしまうことでしょう。
人によっては、本当はやりたいことを遠慮して言わずに済ませるかもしませんし、人によっては怒り出すかもしれません。
きっと自分も相手も、気持ちよくその時間を過ごすことはできないでしょう。
自立支援で輝くあなた
自分にとって難しいことをやるのはとても怖いですよね。いつもと違うことをやるのはとても不安ですよね。
とてもよくわかります。
でもそれはもしかしたら、怖いと、不安だと、思い込んでいるだけかもしれません。
実際にできるかできないか、それはまだやっていない時のあなたはきっとまだ知らないはずなんです。やってみれば、できてしまうかもしれません。
そしてそれは身体障がい者も同じこと。
「障がいがあるしどうせできっこない…」
そう思ってる方に対し、あなたが頑張って支援することによって、できてしまうかもしれません。
勇気を出して、まずはやってみる。もしかしたら、今まで見たこともない相手の笑顔が見れるかもしれませんね。
まずは、
相手のやりたいこと
に寄り添ってみてください。
ただ、言うは易し、行うは難し。
シンプルですが、難しいことでもあります。
そんな時は、まず
- やりたいことをやり遂げた時の相手の喜んでいる様子
- そこで一緒に喜びあっている自分の様子
そんな様子をイメージしてみるのもいいかもしれません。その未来を実現するためにきっと頑張れます!
そして、一度成し遂げたのならもう大丈夫。
その一瞬一瞬が癖になって、自立支援はもうやめられません。笑
自立支援における大切な考え方
自立して自分の人生を生きていける誰かがひとりでも増えるように。
そんな想いで、私たちは日々支援を行っています。
大切なのは、人生の主人公は、自立した生活をするのは、身体障がい者本人だということ。
何がやりたいのか。
そのために何をしてほしいのか。
どんな未来に向かっていきたいのか。
それを考え、決めて、実現するのは、身体障がい者本人なのです。
自分のしたいことをしてもいい。
自分の行きたい所に行ってもいい。
自分のなりたい自分になってもいい。
当たり前だと思うかもしれませんが、人によっては、障がいがあることによりそれはとても難しいことでもあります。
でも、それを望んでいいのです。
実際に実現させていいのです。
私たちは、そのためにここにいます。
私たちは、身体障がい者が自立し、豊かな人生を歩めるように、その助けになるために、ここにいます。
最後に
ここまで、
- 「自立支援」ってなに?
- 「自立支援」のポイント
- 「自立支援」における大切な考え方
についてお伝えしてきました。
「自立支援」とは、支援する相手に、やりたいことをやってもらうこと。自分の望む生活や人生を実現していただけるように、そのために、何がやりたいかを決めてもらう。それを実現するために必要なサポートを行います。
人生の主人公は、自立した生活をするのは、身体障がい者本人だという最も大事なことを忘れてはいけません。
みんなが笑い合い、豊かに、幸せを感じながら生きていける。
そんな世の中をぜひ一緒にクリエイトしていきましょう!
お読みいただきありがとうございました。